プログラミングができなくても、アプリやツールを作ってみたい——
そんな願いが現実になりつつあります。
「バイブコーディング(vibe cording)」と呼ばれる手法を使えば、コードを1行も書かずにAIがあなたの指示をもとに開発を進めてくれます。
本記事では、今話題の”ノーコード×AI開発”の最前線をご紹介します。
バイブコーディング(vibe coding)とは?

AI技術の進化により、ソフトウェア開発の常識が大きく変わろうとしています。
バイブコーディング(vibe coding)はその象徴とも言える概念で、これまで必要だったプログラミングの専門知識が不要になる可能性を秘めています。
従来の開発手法とは一線を画すvibe codingがなぜ注目を集めているのか、その背景と本質を探ってみましょう。
バイブコーディングの定義と背景
バイブコーディングとは、AIに自然言語で指示を出すことで、ソースコードを自動生成し、実装を進める新しい開発手法です。
従来のノーコード・ローコードとは異なり、単なるUI操作ではなく「文章で依頼するだけ」でアプリや機能を作り上げられるのが特徴です。
2025年初頭、元 OpenAI/Tesla のエンジニア アンドレイ・カルパシー氏が「私が「バイブコーディング」と呼んでいる新しいタイプのコーディングがあります。」と表現したことを皮切りに、その存在が広く知られるようになりました。
MIT Technology Reviewなどのメディアでも注目され、バイブコーディングは単なる開発効率化のトレンドではなく、ITリテラシーに関係なく誰もが開発に関われる社会の到来を示しています。
バイブコーディングで一気に開発スピードが変わる3つの理由
バイブコーディングが注目される理由のひとつは、その圧倒的な開発スピードにあります。
従来のコーディングでは設計、実装、修正といった手間がかかっていましたが、AIの力を借りることでその多くを省略できるようになりました。
開発現場の効率を劇的に向上させるバイブコーディングの威力を、3つの具体的な理由から見ていきましょう。
自然言語でコーディングできるからハードルが低い
バイブコーディングの最大の魅力は、プログラミングの専門知識がなくても開発を始められる点です。
従来のコーディングは、言語の文法や構文、実行環境の理解など、多くの知識が前提とされていました。
しかしバイブコーディングでは、「このボタンを右下に移動して」や「背景を白くして」などの自然な文章で指示を出すだけで、AIが適切なコードを自動生成します。
これまで「開発は難しい」と感じていた人たちにとっての障壁が大きく下がっています。
まさに、開発の民主化とも言える革新です。
AIがプロトタイピングの煩雑作業を代行し爆速実現
バイブコーディングは、特にプロトタイピングのスピードにおいて従来の開発手法を凌駕します。
たとえば「ユーザーログイン機能を追加したい」と自然言語で指示すれば、AIがフォームの構造、バリデーション、バックエンドとの連携まで一括でコードを生成してくれます。
エンジニアがUIの設計やルーティングの設定といった細かい作業を一つひとつ手で行う必要がなくなり、開発者は仕様確認や改善提案など、より本質的な業務に集中できます。
試作品を素早く仕上げたいスタートアップや個人開発者にとって、極めて強力な武器となるでしょう。
非エンジニアでも成果物を出せる成功体験
バイブコーディングは、非エンジニアでも「自分でアプリを作れた」という達成感を得られる点でも高く評価されています。
従来の開発では、環境構築やコードの理解などが障壁となり、途中で挫折する人も少なくありませんでした。
しかし、バイブコーディングなら自然言語で「カレンダー機能を追加して」と指示するだけで、動く機能が手に入ります。
ノーコードより柔軟で、ローコードより敷居が低いこの手法は、個人事業主や副業を始めたい人にとって非常に魅力的です。
実際に、全くの初心者が数日でWebアプリを形にした事例も出てきています。

まずは開発したいアプリを考えてみましょう!
バイブコーディングを始めるための3ステップ
バイブコーディングは画期的な開発手法ですが、実際に始めるとなると「何から手を付ければいいのか分からない」という方も多いでしょう。
ツールの選定から実践・改善までの基本ステップを3つに分けて、初心者でもすぐに試せる内容を中心にご紹介します。
難しい準備は不要で、今日からでも始められる手順を見ていきましょう。
ステップ1 – 導入ツールの選定と環境構築
バイブコーディングを始める第一歩は、自分に合ったツールを選び、環境を整えることです。
現在、代表的なツールは以下の4つです。
ツール | 特徴 | URL |
---|---|---|
![]() ![]() Cursor | VS Codeベースのエディタで、自然言語による指示が可能。Composer機能で複雑な処理も直感的に対応できます。 | https://cursor.com/ja?from=home |
![]() ![]() Claude Code | 対話型のAIで、柔軟なプロンプト処理が特徴。ソースコードの読解や提案にも強みがあります。 | https://docs.anthropic.com/ja/docs/claude-code/overview |
![]() ![]() Gemini CLI | Googleが開発したターミナル操作向けツール。インストール後すぐに自然言語でのコード生成・修正が可能です。 | https://cloud.google.com/blog/ja/topics/developers-practitioners/introducing-gemini-cli/ |
![]() ![]() Replit | ブラウザ上ですべて完結する統合開発環境(IDE)。特別な環境構築が不要で、最短数分で使い始められます。 | https://replit.com/ |
どのツールも初期設定は比較的簡単で、アカウント登録や軽いインストールだけで利用可能です。
まずはひとつ試してみることが、第一歩として最適です。
ステップ2 – シンプルなプロンプトでコード生成を体験
ツールの準備が整ったら、実際にプロンプトを入力してコード生成を体験してみましょう。
バイブコーディングでは、「ToDoリストを作成して」「このページの背景色を白に変えて」など、自然な日本語や英語での指示がそのまま命令として機能します。
Gemini CLI の詳しい活用方法は以下の記事を参考にしてください。


最初はうまくいかなくても大丈夫です。重要なのは、小さな成功体験を積み重ねながら、AIとのやりとりに慣れていくことです。
ステップ3 – チェックと改善で信頼できるコードにする
AIが生成したコードは便利ですが、常に完璧とは限りません。
そのため、信頼性を高めるにはコードの内容を確認し、必要に応じて修正・補強するステップが重要です。
たとえば、意図しない処理やセキュリティ上のリスクが含まれていないかをチェックすることが求められます。
また、生成されたコードに対して「この関数の意図をコメントで説明して」とプロンプトを加えることで、可読性の高いコードに仕上げることも可能です。
レビューやテストを重ねることで、AIと人間の強みを活かした安心できる開発が実現します。
すぐ試せるユースケース3選
バイブコーディングは、学習だけでなく実務にもすぐ活用できる点が大きな魅力です。
実際、日常的なタスクから業務の自動化まで、幅広いシーンで導入が進んでいます。
初心者でも挑戦しやすい3つの代表的なユースケースをご紹介しましょう。
特別な技術知識がなくても実現可能で、明日からでも試せるアイデアばかりです。
MVP開発 – 休日にToDoアプリを作ってみよう


バイブコーディングは、最小限の機能だけを備えたMVP(Minimum Viable Product)の開発に最適です。
たとえば「ToDoアプリを作成して」と自然言語で指示すれば、入力フォーム、リスト表示、チェック機能などが一気に生成されます。
特にCursorやReplitでは、リアルタイムで動作確認ができるため、完成イメージをすぐに確認できます。
プログラミング初心者でも、1日〜数時間で形になる体験が得られ、自信にもつながるはずです。
副業やアイデア検証を目的とした開発の第一歩として、これほど手軽な方法はありません。
業務自動化 – 社内ツールやデータ整理スクリプト生成


業務効率化を目的とした社内ツールの作成にも、バイブコーディングは力を発揮します。
たとえば、「CSVファイルを読み込んで必要な列だけ抽出し、グラフを表示するスクリプトを作成して」と指示するだけで、PythonコードやJavaScriptベースの処理をAIが自動生成します。
ReplitやGemini CLIを使えば、ファイルの読み込みやデータ加工といった実用的な処理も即座に実行できます。
人の手によるルーチン業務を減らし、本来注力すべき業務に集中できる環境づくりに貢献するでしょう。
学習支援 – プログラミング学びをAIと共に進化


バイブコーディングは、これからプログラミングを学ぶ人にとっても有効な学習ツールになります。
単にコードを生成するだけでなく、「この関数の意味を教えて」「もっと効率の良い書き方に変えて」といった指示にもAIが応えてくれるため、自然な対話を通じてコードの理解が深まります。
ClaudeやCursorは、コードの構造や意図を丁寧に解説してくれるため、独学にありがちな”つまずき”を減らすのに役立ちます。
従来の教材だけに頼るよりも、インタラクティブに実践しながら学べる環境が整っているのが特長です。
今日から使えるプロンプト集と行動ガイド
実際にバイブコーディングを試してみたいと感じた方のために、すぐに使えるプロンプト例を簡単に紹介します。
すべてシンプルな日本語または英語で指示するだけで動作するため、特別な知識は不要です。
プロンプトは、そのままツールに貼り付けるだけでコード生成を体験できます。
さらに、どのツールから始めればよいか迷っている方にも向けた選び方のヒントも紹介します。
すぐ使えるプロンプト3選
初めてバイブコーディングに触れる方でも安心して試せるよう、実用的でシンプルなプロンプトを3つご紹介します。これらは、Cursor・Claude・Gemini CLI・Replitなどの主要ツールでそのまま使用できます。
- プロンプト1:計算機アプリを作成する
シンプルな電卓アプリをHTML・CSS・JavaScriptで作成して。
四則演算ができるようにしてほしい。
- プロンプト2:予約管理システムのベース
カレンダー表示と予約フォームを組み合わせたシンプルな予約システムを作って。
日付選択と予約者名入力ができるようにして。
- プロンプト3:売上データの可視化
月別売上データをCSVから読み込んで、棒グラフで表示するWebページを作成して。
グラフライブラリはChart.jsを使って。
これらのプロンプトは、開発体験を手軽に始めるための入り口として非常に効果的です。
自分の目的に合わせてアレンジしていくことで、より深い活用につながります。
まずはCursor/Claude Code/Gemini CLI/Replitを試そう!
ここまで読んで「自分でもできそう」と感じた方は、ぜひ実際に手を動かしてみてください。
バイブコーディングは、知識よりもまず”試すこと”が最大の学びになります。中でもおすすめなのが、以下の4ツールです。
- Cursor:エディタ一体型でコードの生成と編集がしやすく、初学者にも優しいUI。
- Claude Code:自然言語による質問応答が得意で、学習目的にも適しています。
- Gemini CLI:ターミナル操作が得意な方には特におすすめ。実装と改善がスムーズです。
- Replit:ブラウザだけで完結し、環境構築の手間がないため即時に試せます。
バイブコーディングは、誰もが開発に参加できる時代の入口です。
「まず試す」ことが、最大の習得法となります。
ぜひ紹介したツールやプロンプトを使って、新しい開発の世界を体験してみてください。